
糖尿病の治療の目的は、合併症の発症と進展を予防することです。そのためには良好な血糖コントロールが必要です。しかし、月に一回の受診時に見る血糖値だけでは日々のコントロール状況はわかりません。なぜなら、血糖値と言うものは食事からの経過時間や食べたもの、体調などで変化するものだからです。
そこで、受診時にはHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)という"採血時から逆上って1~2ヶ月間の血糖のコントロール状況を反映する数値″を採血して判断するわけですが、それでも細かな日内変動や最近注目されている食後の血糖値などはわかりません。
インスリン注射を行っている方は、効果や注射量の調節、低血糖時のためにも自己血糖測定は必須ですが、その他糖尿病薬などを使っている方も自分はいつの血糖が高いのか、食事療法や運動療法・薬の効果が出ているかなどを確認するためにも自己血糖測定は有効です。自己血糖測定を行うことで、患者様自身も医療者側もコントロール状況をより詳しく把握でき、より細かな治療を行うことが出来ます。
しかし、残念ながら現在の日本の保険ではインスリン注射を行っていない方の自己血糖測定は保険適応になっておりません。患者様の負担を少なく自己血糖測定が広まることで、合併症の予防につながると思われ、将来的に保険の適応が認められる可能性もあります。自費購入で行う場合は一回100円程度のコストがかかります。